一生のうちで一度も結婚しないなんてほぼ考えられなかった数十年前と異なり、今は、結婚しないという選択をされる方も少しずつ増えているだけでなく、「ぼっち婚」や同性婚など、ますます価値観が多様化しています。
そんな中で、「結婚する」のは、一人の男性と一人の女性、それだけという印象を自然に持ってしまいます。
確かに、昔に比べれば、大々的に結納をしたり、お相手の親族を廻ったりするようなことは、とても少なくなりました。
しかし、いざ、本当に結婚しようという段階になると、意外に、「家柄」や家庭環境がムクムクと顔を出してくることが少なくありません。
実際に、相談に来ていただく方で、お付き合いしていた方と順調に進んでいたのに、結婚の話になって、親御さんが出てきたら、急にうまく行かなくなったというお話をされる方が、結構いらっしゃいます。
かくいう私自身も、そのような経験があります。
結婚するしばらく前に付き合っていた彼女とは、それなりに順調に進んでいて、婚約までしていましたが、ある時、ちょっとしたすれ違いがあって、珍しくケンカみたいなことになった後、彼女の態度が急変したのです。
後から分かったことなのですが、彼女は、付き合っている中での出来事を逐一と言ってもいいくらい、細かく親御さんに報告していたのです。
当然、親御さんは娘がかわいいため、彼女に良いようにしか解釈しません。
こちらの事情や客観的な経緯は全く無視され、一方的に「彼とは結婚してはいけない」と決めつけられ、彼女自身も親御さんの言うことには逆らえず、そのままお別れになりました。
私は今、妻の親御さんにもとても協力していただいたおかげで、無事に息子も生まれ、3人で忙しくも楽しく暮らせているので、その方とはお別れして本当に良かったと思っていますが、今の時代も、結婚には、「家」が少なからず関係してくるんだなとつくづく感じています。
お付き合いし始めたときなどには、お相手の家庭環境は分からないものですし、そのことに神経質になりすぎて、お相手のことが見えなくなってしまっては、まさに本末転倒ですので、いたずらに慎重になるのはもったいないです。
完全に馬が合う家庭というのはまずありませんし、それぞれの親御さんがそれぞれの想いで築いて来られた家庭ですので、尊重し合うことが重要なのは、言うまでもありません。
ただ、あまりに一方的に理解されなかったり、お相手自身が状況の改善へ向けて協力的でなかったりする場合などは、結婚後にとてつもない苦労を余儀なくされてしまう恐れもありますので、最低限のことについては、冷静に判断されることをおススメ致します。
このようなことも、婚活を進める中で、頭の片隅に入れておいてくださいね。