おかげさまで、多くのお客様からお問い合わせをいただいておりますが、中には、すごく思いつめた状態でお問い合わせのお電話やメールをいただくことがあります。
先日も、とても厳しい家庭環境でお育ちになり、ご結婚後も、ご両親やお子様、ご親族との関係にとても苦労されたという50代の女性から、お問い合わせをいただきました。
私は、まずお話を十分聴かせていただくので、その時も、ひたすらお話を伺っておりました。
お話を伺うにつれ、その方が、本当に想像を絶するようなご経験を重ねて来られてきたことがよく分かりました。
それだけに、思いが溜まっておられたのでしょう。
延々と同じ話を繰り返されていました。
そして、最後に出たのが、「こんな私を受け入れてもらえる人はいますか?」というお言葉でした。
そのニュアンスは、一般的に、お互いを理解し合うという意味での「受け入れてもらえる」ということではなく、完全に、一方的に理解を求める意味でのそれでした。
実際、私が、「結婚生活は、一方的な関係では成立しないので、お相手のことも理解しようというお気持ちがないと、きっとうまく行きませんよ」とお話すると、「えっ、お相手のこともですか??」と、びっくりされたような反応が返って来ました。
それだけ、ご自身が大変な状況にあることで頭がいっぱいだったのでしょう。
自分自身にとって、あまりに辛いことが続き、周りにも理解されない状態が続くと、どうしても、「自分が一番大変だ!」と言わんばかりに追いつめられる心境になってしまうことがあります。
私自身も、若い頃、何をどれだけ頑張っても、うまく行かず、「オレが何をしたんだ?!」と、今では考えられないくらい独りよがりになっていたことがあるので、ある程度、そういう気持ちは分かります。
極端に言えば、そういう状態のときは、世の中で一番不幸なのは自分だというくらいになってしまっています。
ただ、厳しいようですが、「自分だけが大変!」という状態のときは、ひとは寄って来ません。
ましてや、結婚相手とは、これからの半生を共にするわけですから、そういう状態にある方との結婚を望む方は、まずいないでしょう。
万が一、そのような方がいらっしゃったとしても、早晩、関係が破綻するのは目に見えています。 共存関係が全く成立しないからです。
「私だけが大変!」という状態になっていると気付けていれば、まだ良いのですが、そこにも気付けない状態だと、問題はかなり深刻です。先程の女性も、全く気付けていない状態でした。
「私は、こんなに大変な人生を歩んで来たの。誰か、分かってくれる人はいますか?」という、完全に一方的な思いだけです。
結婚生活は、本当に日常の連続ですので、お互いに理解し合おうとする姿勢を示すことで、助け合い、一緒に歩んでいけるものです。
お相手には、お相手なりの経緯と思いがあります。
どんなに聖人のように見える人にも、その方なりの人生があり、経緯があります。
そのことに思いを馳せることは、幸せな結婚生活にとって、最も大切な要素と言っても過言ではありません。
それは、絶対に忘れてはいけないことです。
「うーん、しんどいなぁ」と思うときは、一度深呼吸して、周りやお相手の気持ちを考えてみてくださいね。
周りのことを考えられなくても、少なくとも、自分だけのことで頭がいっぱいになっていないか確認してみてください。
お相手の気持ちに寄り添うことを意識すれば、自然に、お相手も、自分のことを気にかけてくれるようになるものです。
肩の力を抜いて、一歩ずつ、進みましょう!